東京ディズニーランドはただのフランチャイズ?オリエンタルランドのマーケティング戦略がすごすぎた

こんにちは。

ディズニーは、キャラクターより背景知識。
アトラクションよりも背景知識。

一般とは違う意味でディズニー好きな東大社長ジャックです。

 

あなたは
「オリエンタルランド」っていう会社、
聞いたことあります?

 

そう、オリエンタルランドは
東京ディズニーリゾート
(ディズニーランド、ディズニーシー)
を運営している会社です。


(出典:公式ホームページ)

 

 

で、実は、このオリエンタルランド、
かなり異色の会社なんですよね。

 

 

世界に数あるディズニーランドのなかでも、
東京ディズニーランドだけは極めて特殊。

 

 

何が特殊かはすぐにいうとして、

調べてみると、オリエンタルランドは
東京にディズニーランドを作る上で

天才的なマーケティング戦略

を行っていることがわかりました。

 

なので今日はそれを3つ共有していこうかと。

 

自分で調べててマジで「へぇー!!」の連続でした。

 

東京ディズニーランドは世界唯一のフランチャイズ

で、オリエンタルランドと聞いて
一つ疑問が生まれるんですけど、

「あれ?ディズニーランドって
ディズニーが運営してるんじゃないの?」

ってこと。

 

 

そうなんですよ。

 

世界6都市にあるディズニーランドのうち、
唯一ディズニーの直営じゃないのが東京なんです。

 

つまり、フランチャイズってことですね。

 

 

フランチャイズってなに?と知らない人もいると思うので、
友達のいない僕の唯一の相談相手である
Wikipediaくんに聞いてみると、

 

フランチャイズとは?

一方が自己の商号・商標などを使用する権利、自己の開発した商品(サービスを含む)を提供する権利、営業上のノウハウなど(これらを総称してフランチャイズパッケージと呼ぶ)を提供し、これにより自己と同一のイメージ(ブランド)で営業を行わせ、他方が、これに対して対価(ロイヤルティー)を支払う約束によって成り立つ事業契約である。

 

う〜ん、Wikipediaくん、ちょっと言葉がカタイのが弱点なんですよね。

なのでジャックなりに噛み砕くと、

フランチャイズとは
「ブランド貸すから、売り上げの何%かちょうだいね〜」

っていう契約のことです。

 

 

コンビニなんかがわかりやすいですね。

普段何気なく使ってるコンビニなんですけど、
実は2種類あるんですよ。

それが、

  1. 直営店
  2. フランチャイズ

 

例えばセブンイレブンなら、セブンアンドアイホールディングス(以下セブン)が直接経営しているのが直営店。

 

で、セブンが別の店長が経営している店舗に
セブンのブランドやノウハウを提供するのかわりに、
売り上げの何%かをくれ!というのがフランチャイズ。

 

つまり、フランチャイズは本元が直接経営してるわけじゃない。

 

 

で、東京ディズニーランドも、フランチャイズ。

 

セブン→ディズニー

別の店長→オリエンタルランド

と置き換えればわかります。

 

 

つまり、オリエンタルランドは
フランチャイズという形で
ミッキーやミニーなどのキャラクターを使う権利をもらって
ディズニーランドを運営してるんです。

 

これは、

  • カリフォルニア
  • フロリダ
  • パリ
  • 香港
  • 上海
  • 東京

と世界6都市の中でも、東京だけです。

(他は全部ディズニーの資本が入っている直営。)

 

東京ディズニーを成功させた3つの戦略

で、このオリエンタルランド、
東京ディズニーを軌道に乗せた戦略がハンパじゃないんですよ。

 

 

だって、知ってました?

東京にディズニーランドをオープンすることは、
当初はあのディズニー社さえ失敗すると思ってましたから。

 

じゃなきゃ、そもそも直営でやるし。

 

 

つまり、フランチャイズとして
ディズニー社の予測のはるか斜め上の
成功を挙げたのがオリエンタルランドです。

 

 

その秘密は、色々分析してみた結果、
以下の3つであるとわかりました。
(めちゃくちゃ勉強になります。)

 

1.徹底したマーケットイン戦略

2.バックエンドの利益戦略

3.異常なまでの営業力

 

調べててどれもかなり面白いな、と感じました。

 

ストーリーと一緒に話していくので、
さっそく一つずつみていきましょう。

 

1.徹底したマーケットイン戦略

そもそもの話、東京に ディズニーを作ろうとした当時、
ディズニーはアメリカ国内にしかありませんでした。

つまりカリフォルニアとフロリダですね。

しかも、フロリダもまだ完成途中。

 

 

だから、ディズニーは、

「ディズニーランドが海外に通用するかなんて全然わからん!!」

って状態でした。

(いまでこそ通用することは明らかですが笑)

 

 

んで、オリエンタルランドはその時点で

「いける!!」

で判断したわけですよ。

 

その裏にはなにがおこなわれていたか?

 

それは、
徹底した顧客のリサーチ
です。

 

そして、顧客をリサーチした上で、
顧客のニーズにあった商品を売っていく

 

これが、オリエンタルランド1つ目の成功法則です。

 

 

顧客がもともとも欲しがっていた商品なんだから、
売れないわけがない、ってこと。

 

ちなみに、顧客のニーズを満たす商品を作ることを
マーケティングの用語で
マーケットイン戦略といいます。

 

すでにあるマーケット(ニーズ)に商品を投入(イン)することです。

 

(ちなみに、対義語はプロダクトアウトです。
顧客関係なく自分が作りたい商品を出すということ。)

 

 

今から考えれば、
オリエンタルランドが当時ディズニーを東京に招致したのは、
このマーケットイン戦略をゴリゴリに使ってるんですよ。

 

日本人でディズニーランドに行きそうな層の生活を徹底的に調査し、
彼らは何を求めてるか?を徹底的に考えたと思います。

 

そして、気づいたと思うんです。

 

オリエンタルランドは日本人のどんなニーズに気づいたのか?

 

 

それは、

あ、日本人には非日常が足りてねぇなって。

 

そう思ったんです。

 

 

外国から見ると、日本人はとても勤勉だと思われてます。

労働時間クソ長いし、
有給取れるのに取らないし、
真面目で礼儀正しい。

 

こういうイメージですね。↓

 

だから、普通に考えれば、

「アメリカンドリームを体現したディズニーは、
真面目で現実的な日本人にはあわねぇだろ」

と。

 

当時にディズニー社もこう思ったでしょう。

 

 

でも、オリエンタルランドは、
マーケット(=日本人)の本当にニーズを知っていました。

 

 

日本人はいくら勤勉とはいえ、
もちろん人間です。

 

毎日毎日クソ真面目に生きてれば、
そりゃストレスも溜まります。

 

特に、日本は個人より集団の文化だからね。

個人の素を簡単に出せない。

 

 

だからこそ、

「現実から逃げてストレス発散してぇ〜!」

っていうニーズが日本中をうずまいてるわけですよ。

 

 

オリエンタルランドはそれに目をつけたのです。

 

「あれ?ディズニーで現実を忘れて、
夢の国の体験させたら完璧じゃない?」
と。

 

 

その結果は明らかですよね。

まさにディズニーは現実を忘れさせ、思いっきり楽しめる
「夢の国」になってるわけです。

 

(ちなみに、英語ではディズニーのことを「夢の国」とはいいません。
“The Happiest Place on Earth”(世界でもっとも幸せな場所)などといいます。)

 

オリエンタルランドは、
徹底したニーズの調査により
マーケットイン戦略を行なったと言えます。

 

2.バックエンドの利益戦略

とはいえ、マーケットイン戦略だけでは足りないです。

 

人々のニーズを満たしているのに
まったく売れない商品がこの世の中にはゴロゴロあります。

 

会社を軌道に乗せるには、
ちゃんと収益を上げないといけないです。

 

 

でも、オリエンタルランドは、
ディズニーのフランチャイズです。

 

つまり、売り上げの何%かをディズニーに渡さないといけないんです。

(これを、フランチャイズにおけるロイヤリティといいます。)

 

 

で、オリエンタルランドとディズニーの契約では
ロイヤリティが売上の何%かといいますと、

10%

です。

 

 

そうでもないじゃん、と思うかもしれませんが、
実はこれかなり高くてぼったくりです。笑
(少なくとも当時としては。)

 

なぜなら、普通の企業なら、
利益率は10~20%とかだからです。

数%のところもあります。

 

つまり、10%持ってかれるということは、
利益のほとんどをもってかれること。

 

 

だから、オリエンタルランドランドは、
どのようにして利益を確保するか?
ということを考えないといけなかったんです。

 

 

結果、どうしたか。

 

オリエンタルランドはある
意外な収益
に目をつけます。

 

いや、日本人にとっては意外ではないかもしれません。

 

でも、アメリカ企業であるディズニー社からすれば意外な利益でした。

 

 

今もあなたがディズニーにいったら、
たぶん買うであろう、あれ。

 

それはなにか。

 

 

お土産

です。

 

 

オリエンタルランドは、
チケット代ではなく、
お土産で稼ごうと思ったんです。

 

 

でも、このお土産という文化は日本独特のもので、
ディズニー社はお土産がそんなに売れるなんて思ってもいませんでした。

 

 

そのため、契約はこんな感じになってました。

 

ロイヤリティの割合

1.チケット代→10%

2.飲食代→5%

3.お土産→0%

 

そう、ディズニー社はお土産なんてそんなに売れないから、
ロイヤリティをとっていなかったんです。

 

ディズニー社は、
チケット代が主な収益とふんでいた。

 

 

そこに目をつけたオリエンタルランドは、
日本のお土産文化をいかして
グッズで収益をあげる作戦にしました。

 

 

チケットを買って入場したお客さんに、
さらに追加でグッズを買わせるということですね。

 

 

ちなみに、このような一回お金を払った(チケット代)お客さんに対して
さらに別の商品を提案する(お土産、飲食)ことを
バックエンド戦略といいます。

 

お客さんが最初に買う商品がフロントエンド、
その後に続けて買う商品はバックエンドです。

 

 

つまり、ディズニーでいえば

チケット→フロントエンド

お土産(や飲食)→バックエンド

となります。

 

 

ちなみに、東京ディズニーリゾートは、
お土産(=商品販売)の収益がチケットの収益の
7割ほどを推移してます。

オリエンタルランド公式が出しているグラフ↓

商品販売収入というのがいわゆるグッズとかお土産で、
飲食販売収入と合わせると、チケット販売収入を超えます。

 

これは脅威的な割合です。

 

アメリカとかだと、
グッズでこんなに収益とれないそうです。

 

 

現時点(2021年6月)でのパークチケットが8700円なので、
お客さんがパーク内で追加で一万円ほど
使ってくれてるってことです。

(行ったことある方へ…実感ありますよね?笑)

 

つまり、フロントエンドの商品(チケット)より、
バックエンドの商品(お土産、飲食)の方で利益を取っている。

 

このバックエンド戦略が契約条件ともうまく噛み合い、
オリエンタルランドは大成功しました。

 

3.異常なまでの営業力

 

ここまで、オリエンタルランドとディズニーの契約と、
オリエンタルランドの戦略について2点話してきました。

 

でも、オリエンタルランドの一番すごいのは、
実は、この2点じゃないです。

 

これら2点は、やろうと思ってすぐできるものじゃない。

 

 

一番苦労したのは、

その前

です。

 

 

つまり、

よくディズニーと契約取れたな!

ってこと。

 

 

当時、ディズニーがアメリカに2箇所しかないといっても、
世界的にもかなり成功した遊園地でした。

 

つまり、世界中が、

「ウチの国(地域)にもディズニーランドやらせて!」

状態だったんです。

 

 

しかも、ライバルは世界だけではありません。

 

日本でも、三菱地所がディズニーの誘致に名乗りをあげていました。

(三菱地所は今の長野県にディズニーを作る予定だったみたいです。)

 

まぁ、財閥系の大企業ですよね。

 

 

正直、オリエンタルランドなんて、
その中では小さな会社。

ディズニーには見向きもされてませんでした。

 

 

しかし、

「どうしてもディズニーを浦安に誘致したい!
誘致できてた絶対に成功する!」

そう思ったオリエンタルランドは、
ディズニーにガンガン営業をかけていきます。

 

 

この経緯はオリエンタルランドの公式ページにも書いてあります。

 

ちょっと抜粋して紹介します。

オリエンタルランド公式ページより

1974年2月、当社はディズニー社へ書簡を持って正式に誘致を申し入れ、ディズニー首脳の来日視察を要請しました。さらに同6月には社長の川﨑がディズニー社を訪問し、ディズニー社社長と会談を行い、ディズニーランドの日本誘致を希望する旨を改めて表明するとともに、首脳の来日を再度懇請するなど、ディズニーランド誘致に向けた動きは一気に加速していきました。

 

書簡で「誘致したい!」と申し込んだだけじゃなく、
社長自らアメリカに飛んでディズニーの幹部に懇願したみたいです。笑

 

すごい行動力。

 

そして、5ヶ月後にはさらにたたみかけます。

 

オリエンタルランド公式ページより

そして1974年7月、ディズニー社に対し、浦安開発地域の適地性などついてまとめた研究レポート「Oriental Land Feasibility Study Report 1974」を提出し、首都・東京に隣接する、千葉県浦安地区がディズニーランド建設に好適地であることをアピールしました。

実際のレポート↓

 

超絶しっかりしたレポートを提出。

うわー、ゴリゴリの営業です。笑

 

 

そして、このレポートでついにディズニーが動き、
1974年12月にディズニー首脳の来日が実現しました。

 

 

そして、あらゆる準備を万全に整え、
ついに12月4日、運命の日を迎えます。

 

オリエンタルランド公式ページより

日は会場となった帝国ホテルで、ディズニー社視察団に対して、浦安地区へのディズニーランド誘致計画に関するプレゼンテーションを実施しました。浦安地区とその周辺の航空写真やマーケティングデータなどを示し、長期的な日本市場価値の有望性、開発予定地が日本の中心である東京エリアの一角に位置する点などを訴えました。

 

そして、ディズニー首脳に対して
ゴリゴリのプレゼン。笑

 

 

でも、プレゼンだけじゃないです。

このプレゼン後、オリエンタルランドは
誘致を確実にするために以下のような行動に出ます。

 

オリエンタルランド公式ページより

帝国ホテルでのプレゼンテーション終了後は、当時はまだ数少なかったサロンのついたデラックスバスにディズニー社一行を乗せ、浦安地区を案内しました。さらに当社役員とディズニー社首脳はヘリコプター3機に分乗し、開発用地を上空から視察。首都圏に隣接していること、三方を海や河川に囲まれており非日常性が高いことなど、ディズニーランド用地としての適性や特徴を説明しました。

 

ヘリコプターで予定地を上空から見せる。笑

 

どこまでやるんだ、オリエンタルランドランドは。

ディズニーにかける情熱がハンパじゃないですね。

 

 

そして、ついに2日後の12/6にもう一度会談し、

 

 

ディズニー社「やってみよう」

 

と合意をもらうのです。

 

 

まとめると、

  1. 書簡送る
  2. 社長自らディズニー社を訪問
  3. 緻密すぎるレポートを提出
  4. 作り込まれ過ぎたプレゼン
  5. ヘリコプターまで使って実際に土地を見せる

この5コンボ。

 

なんたる営業力。

 

つまり、今の東京ディズニーランドがあるのは、
オリエンタルランドが見向きもされなかったところから
ゴリゴリに営業を続けたから、ということです。

 

 

 

と、そんなわけで。

 

今日は、オリエンタルランドがディズニーを誘致し、
利益をガンガンあげていき、
今の東京ディズニーランドになったストーリーを紹介しました。

 

 

まとめ

1.徹底したマーケットイン戦略

2.バックエンドの利益戦略

3.異常なまでの営業力

 

いやー、自分でこの記事書いてて、
自分のビジネスのやり方に対して反省しまくりでした。

 

うわ、もっと顧客に寄り添わなきゃダメだわ、、
バックエンド足りてねぇ、、
営業も人なみにしかやってねぇ、って。

 

というわけで、今日はオリエンタルランドの
フランチャイズのマーケティング戦略についてでした。

 

それでは!

 


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1 個のコメント

  • 本記事読ませていただきました。起業を志している身として、気合の帯を引き締めなければと思えるものでした。起業にアイデアは必要ないという記事も含めて、もっとシンプルに、見栄を張らず、楽しめる好きなことを全力でやろうという気になりました。
    話は変わりますが、本記事を書かれる際、様々なものを参考になされたと思いますが、具体的にどう調べたら良いか教えていただけないでしょうか。僕自身、調べようにもどうしたらいいか分からず終いになってしまいます。

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